日常でも使える!便利な通訳技術

 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。 

 

 今回は通訳の技術が通訳以外で役に立つ場面を紹介したいと思います。

 

 私の通訳技術を自分とクライアント以外で最大限活用しているのは、間違いなくうちの主人です。彼は本や映画やニュース記事について見る(読む)かどうか悩むと、私が先に目を通していた場合要約を求めてきます。(ずるい!)テレビ番組やニュースで何かを聞き逃すと、リプロダクションを要求されます。(ずるい!)どちらもいつも突然なので、少し緊張します。(ひどい!・笑)

 

 とは言え訓練を終えて尚、私のスキル維持・向上に協力的な環境を作ってくれる相手がいることは、とてもありがたいです。

 

 分からないことがあると、よくネット検索も頼まれます。訓練時代の予習でも、実際の仕事の準備でも、ネット検索でどれだけの情報を集められるかは通訳者にとって重要な技術です。何度も繰り返しやっているうちに、欲しい情報を見つけるために最適なキーワードを選べるようになりますし、様々な角度からキーワードを考える癖もつきます。自分でやるよりも早くて確実なので、「これ調べて」と言われることが多いです。ちなみに検索で得た情報でもまた、要約を求められることがしばしば。主人は欲しい情報を早く分かりやすく得ることができ、私はスキル維持の訓練にもなると、我が家では一石二鳥なのです(笑)

 

 次は最近気づいた、通訳技術が役立つ場面です。

 

 

 上の2本の動画はどちらも、企画、撮影、出演、編集、全てほぼ一人で行った、レシピ動画です。この動画自体は海外向けのオンラインショップのブログ用に作ったもので、この通訳のサイトとは直接関係はありません。

 

 ただ動画の編集をしていて、「あれ?何か通訳してる時みたいな気分になるな」と不思議な気持ちになりまして、せっかくなのでブログ記事としてシェアすることにしました。

 

 まずはなぜ動画の編集をしながら通訳をしているような気持になったのか、です。この動画は海外の方向けのコンテンツとして作りましたが、せっかくだから日本の友人にも見せたいと思い、チキンの方は字幕を日英両方つけてあります。クッキーの方は日本語と英語と分けて作ったため、こちらには日本語版のみ載せています。YouTubeには英語版もアップしてあります。そんなわけで動画を作る際に翻訳の作業もあるのですが、ご覧の通りこれはごくごく少量で、「通訳感」を出すほどではありません。私を不思議な気持ちにさせた通訳作業との類似性は、編集の作業そのものにありました。

 

 つまり、どこを削ってどこを早回しにし、どこで字幕を入れて、どのスライドに何秒使うのかを考えたり、全体が長すぎる場合は1秒、時には0.1秒単位で微調整をする...この作業全体が、通訳の作業ととても似ているのです。

 

 ちなみに今SNSで人気の早回しレシピ動画にならい、動画は1分以内にすると決めています。1分以内に伝えたい情報をどれだけ的確に伝えるか。これはまさに、通訳者が時間の制限のある中で情報の取捨選択をし、不要な情報をそぎ落とした上でメインの情報が伝わりやすい訳を組み立て、声の強弱や緩急をもって相手に伝えるのと同じです。決定的な違いがあるとすれば、これがお金を貰う仕事ではないことと、やり直しがきくことです。なのでドキドキワクワクしながら楽しく編集しています。

 

 それでもどことなく緊張してしまうのはやはり、通訳と似ているという自覚があることと、編集作業に一番近しい通訳技術は「要約」ということになりますから、訓練当時大嫌いで大苦手だった要約訓練を思い出してソワソワしてしまうためでしょうか。どうやら条件反射のようです(笑)

 

 素人が見よう見まねで作った動画ですが、どちらも自信作です。撮影環境の良し悪しがありますから映像については偉そうなことは言えませんが、ちゃんと「伝わる」動画になっていると思います。これと言ってノウハウがあったわけではないのに、自信を持って「伝わる」と思えるのはやはり、通訳訓練あってこそです。

 

 こんな風に、実は通訳訓練は地味に日常生活で役立ちます。

 

 誰かの話を人に伝える時にはリテンション&リプロダクションですし、何かの話を要点だけ伝える時には動画と同じく要約ですし、そのままでは分かりづらい表現があった時には、噛み砕き伝わりやすい表現に変えるパラフレージングが役に立ちます。

 

 これに加え、通訳訓練を受けると語彙と表現力と忍耐力が付きますから、自分の伝えたいことを言葉で伝えきる自信もつきます。「何て伝えれば伝わるかな」と悩んだ時にも諦めずに伝える方法を探しますし、多少時間がかかることもありますが、しっかりかゆいところに手が届く表現を見つけ出せます。このブログを書いている時にも毎回同じことを感じています。

 

 通訳者の仕事の根本は人と人とのコミュニケーション。そしてコミュニケーションは人間の生活の基本です。そう考えれば通訳技術が日常生活に大いに役立つのは、自然なことですね。

 

 苦しかった通訳訓練についてきたこんな嬉しいオマケ達。毎日フル活用して楽しんでいます。

  

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:東京

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り

楽しみ:正月の箱根駅伝、2か月に1度の大相撲観戦(テレビ)、年に数回の柔道国際・国内大会テレビ観戦、年に数回のブロードウェイミュージカル日本公演、不定期の札幌旅行