英語の耳と発音を育てるのにお薦めの習い事

 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。 

 

 今回は英語耳と英語の発音を育てるのに効果的だと私が思う、幼少期の習い事についてお話しします。ちなみにご紹介するのはあくまでも私の経験に基づく私の意見ですので、「これが絶対!」などと過剰な期待はされませぬよう。

 

 とは言え通訳者として仕事をする今、「きっとこれが役に立っているんだな」と強く思うものであるのも事実です。英語耳と発音を育てるにはこんな視点もあるのだなと、いち英語を生業にする者の意見として参考にしていただければ幸いです。

 

 私は子供の頃、いくつかの習い事をしていました。始めた順番で並べると、ピアノ、スイミング、柔道、習字、英語塾です。習字はいまいち身が入らず割とすぐにやめてしまいましたが、スイミングと英語塾は小学校まで、ピアノは中学校まで、柔道は部活も入れて高校まで続けました。

 

 ピアノのお陰で音楽の授業は大好きでしたし、スイミングのお陰で水泳の授業も楽しめました。柔道は学校生活にはあまり役には立ちませんが、マットの授業だけは得意でした(笑)習字はすぐにやめてしまいましたが毛筆の基本的な使い方は今でも覚えていて役に立ちます。英語塾...英語塾...は...英語の勉強にはなりませんでしたが楽しかったです(笑)どんな習い事も楽しくて生活の役に立つならどんどん経験するべきだと思います。時間に余裕のある子供時代にしかできないこともありますし。

 

 そしてこの中で私が英語耳と発音の育成に効果的だと思う習い事は、ピアノです。ピアノに限らず、音感を育てることのできる音楽系の習い事が良いと思います。その理由は、英語には音程とリズムが存在するからです。

 

 私達日本人は英語のリスニングやスピーキング力の話をする時、一語一語の発音に意識を取られがちです。確かに英語には日本語にない音、LとRの音の違いであったり、F、V、TH等英語特有の音があり、これらの音に耳や口を慣らすことはとても大切です。またひとつひとつの単語のどこにアクセントがあるのかを意識することも大切です。ここまでは英語を学ぶ人であればほとんどの人が気を付けることです。

 

 しかし更にこれらと同時に意識しなければならないのになぜか置き去りにされがちなのは、英語を文章として聞いたり話したりする時に、文章の中でもまた音の高低(音程)や強弱(リズム)があるという点です。日本語にそれが無いわけではありませんが、音程もリズムも平坦な日本語に比べて英語のそれには幅があり、まるで音楽のように多彩です。

 

 そしてそれこそがネイティブ風の英語に近づくヒントでもあります。

 

 これまでも何度も触れている通り、私が高校留学の1年間で今の発音の8割程度を習得した背景には、ホストマザーのスパルタ発音矯正がありました。しかしその微妙な音程やリズムを正確に耳でとらえて自分の口で発することができたのは、3才から15才まで通ったピアノのお稽古で培った音感があったからこそです。更に言えば、ピアノのお稽古をやめてからはコードを覚え、好きな曲を弾き語りで歌ったり自分で曲を書いたりもしていました。私の作曲方法は大抵詞を書いてから曲を付ける手法で、詞を見てコードを押しながらそれに合ったメロディーを乗せて行く、またはメロディーを先に考えて合うコードを探して行くといった感じでした。幅のある和音に合う音を見つけるこの作業もまた、微妙な音の変化を聞き分ける耳を育ててくれたのだと思います。

 

 これを読んで「どんな曲を書くの?」と興味を持ってくださった方、記事の最後に動画を載せますのでどうぞお楽しみに(笑)

 

 その前にもう少し英語と習い事の話を。

 

 音感が大事と言っても、何も天才的な絶対音感が無ければいけないと言っているのではありません。プロの歌手並みの歌唱力を身に付ける必要もありません。そんなことを言ったら綺麗な英語を話せるのは一部の天才に限られてしまいます。しかし音の振れ幅が極端に平坦な日本語を母語とする私達が英語の音を学ぶのならば、微妙な音を的確にとらえる耳とそれを発することのできる音の感覚を鍛えておくのは有効だと思います。それに音楽系の習い事は英語に限らず様々な場面で役立ちますから、個人的にはとてもお薦めの習い事です。

 

 それではここで、そもそも英語を目的として音楽系の習い事をするのなら、子供のうちから英語を学ばせればいいのでは?という疑問にも答えておきます。

 

 幼少期からの英語学習に関しては私は懐疑的です。私自身、小学校4年生から6年生まで英語塾に通いましたが、卒業記念に受けた英検5級に不合格という悲しい結果に終わりました。友達と一緒に英語塾に通うのは楽しかったですし、ある程度英語に親しみを持てたという意味では有意義でしたが、今現在の私の英語力の構築には残念ながら役に立ったとは言えません。私の英語人生は中学校から始まったと、今でも感じています。

 

 私の英語人生にとって英語塾とピアノのお稽古のどちらが重要だったかと問われれば、間違いなくピアノです。一説には子供の音感は親の子守歌で決まるなんてことも言われますから、幼いうちに育てておくなら中途半端な英語力よりも音感だと思います。

 

 と、こんな自己分析が書けるのも、英語とピアノの両方の機会を与えてくれた両親がいたからこそです。32年前に私をこの世に誕生させてくれた両親に心から感謝です。(2月2日が誕生日なのです。)

 

 では最後に、自作の曲を載せて終わりにします。「愛郷(あいきょう)」というタイトルで、その名の通りふるさとを想い、父の同級生バンド「ホームタウン」をテーマに書いた曲です。

 

  

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