必要としている人に英語を教えたい想いの原点

 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。 

 

 2017年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 今年平成29年は、私にとって翻訳ならぬ本厄の年です。どんな年になるのか少し緊張気味で新年を迎えたところ、ありがたいことに年明け早々色々と仕事の話をいただいております。その順調さが怖くなり、日程を早めて今日厄払いに行ってきました。

 

 祖母に仕立ててもらったお気に入りのスーツを着て、厄年の自分と家族の安全と無事、そして何より商売繁盛(笑)をお願いして来ました。予定では浅草寺に行くつもりでしたが、急ぎだったので市内の神社にて。そもそも浅草は観光と天丼のおまけが目当てだったので、それはそれで後日主人とデートで行くことにします(笑)

 

 さてご存知の通り私の本業は通訳ですが、今年は英語を教える立場の仕事をすることも増える年になりそうです。小規模は個人レッスンから、大規模ではテコンドーの全日本チームまで。実は以前からいつかは教える仕事もしようと、あれこれと考えていました。本当はもう少し煮詰まったところで始めたかったのですが、2020年に向けて一番需要が高まるのはこの3年ですし、環境は待ってくれそうにないので、もう見切り発車。走りながら考えることにします。

 

 追記:英語指導専用のページを作りました。同時通訳者Erikaの英語指導を希望される方はこちらのページをご覧ください

 

 今後これに関しては色々と書くことが増えそうですが、その前に今回は、私が本気で教える仕事をしたいと思ったある出来事についてお話しします。

 

 今から約5年前、ある食品展示会でブース付の通訳をした時のことでした。忘れもしない最終日の開場直後。私がクライアント(アメリカ人)と雑談をしているとそこに、 20代前半と思われるスーツ姿の男性がやって来ました。 ブースに並んでいた商品に興味を示していたようだったので、 「どうぞご試食ください」と笑顔で接客。 

 

 すると… 

 

 彼は私の顔をじっと見つめ、弱々しい声でひとこと。 

 

男性「あの…ここにいたら英語できるようになるんですか?」 

私「えっ?英語…ですか?」 

 

 驚いて改めて男性の顔を見ると、その表情には悲壮感すら滲み、いかにも「切羽詰った」顔をしていました。 私が返答に困っていると、男性はハッとした表情になり、 

 

男性「あ、ごめんなさい。元々英語できるんですか?」

私「あ、はい。通訳なので…」

男性「あ、そうですよね。すみませんでした。」 

 

 男性はそう言うとサッと視線をそらし、足早に去って行きました。 あまりに唐突なことで動揺してしまい何もできませんでしたが、 彼が英語でとても辛い思いをしていたのは想像に難くありません。せめて呼び止めて名刺を渡し、もっと話を聞いてあげれば良かったと後悔しました。 この短いやり取りと男性の疲れ切った顔は小さな棘となり、ずっと私の胸に残っています。

 

 この一件以降、彼のような人の力になりたいとずっと思っていました。そしてあの日の後悔から、英語で本気で私に助けを求めてくれる人にはどんな状況であれNOと言わないと決めました。

 

 とは言え大規模講座になるとそこまで高いモチベーションを持つ人ばかりなはずもなく、特にテコンドーの全日本チームでは軽く前振りをしただけで強い拒否反応を示されました。まるで衝撃波を食らったような物理的な疲労感を経験しました。若いアスリートの気合やパワーってほんとにすごい。彼らの勉強嫌いはその一瞬でしっかり伝わりましたが、それでも将来少しでも彼らの助けになってくれればと、日々プログラムを作成中です。

 

 「私が通訳者になるまでシリーズ」にも書いている通り、私の英語は一朝一夕で簡単に身に付けたものではありません。それなりに挫折も味わいましたし苦労して努力して自分の一部にしてきたものです。英語素人からの英語攻略法を知っている私にだからこそできる教え方があると、それできっと誰かに希望を与えられると、強く信じています。

 

 2017年を、通訳翻訳業でも教育でも沢山の素敵な出会いのある良い年にできますように。そしてこの年が皆様にとっても幸せな一年となりますように。今年も本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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