簡単に英語ができるようになる方法?(中高生向け英語セミナーにて)

 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。 

 

 前回のブログに書いたテコンドーの国内合宿での英語セミナーが無事終了しました。80人超という受講生の数にドキドキしながらも、とても楽しく、また私自身とても勉強になり、何よりも私の英語愛を存分に炸裂させていただいたセミナーとなりました。それがもう気持ち良くて幸せで、翌日はぐったりしていたくせにお肌はツヤツヤで(笑)今回はその英語セミナーで特に私の英語愛が炸裂した、事前アンケートで募った質問への回答集をご紹介したいと思います。「簡単に英語ができるようになりたい人」への私からの渾身のメッセージです。

 

 

--------------回答集抜粋ここから----------------

 

 回答を読んでもらう前に私からひとつ、みなさんに伝えたいことがあります。今回「簡単に英語ができるようになるにはどうしたらいいか」という内容の質問が目立ちました。なので先に書いておきます。簡単な方法はありません。みなさん、簡単にテコンドー強くなりましたか?それと同じことです。また強いテコンドーを支えるためには、筋トレや基礎練習が大切ですよね?みなさんが学校で習っている英文法や英単語は、英語の筋トレと基礎練習です。まずは学校の勉強で英語の筋力と体力をつけ、そこから様々な機会を作って実践力を身に付けてください。当然、時間はかかりますし努力も必要です。しかしやればやっただけ結果はついてきます。スポーツも勉強も基本は同じです。

 

1.英語に興味を持ったのはなぜですか。

a)中学最初のテストで良い点を取っていい気になったからです(笑)

 

2.なぜ、通訳者になろうと思ったのですか。

a)英語が大好きだからです。

 

3.英語の勉強のしかた、覚え方が知りたいです。/英単語を読むのも覚えるのも苦手です。何かコツがあったら教えてください。

a)教科書の丸暗記が一番効率的です。文法、単語の音と意味、すべてを一度に覚えられるからです。お薦めの方法は、音読です。できれば英語の教科書のCDを購入しましょう。学校の授業でやり終わった箇所を毎日1レッスン分、CDを流しながら同時に教科書を読み上げます。レッスンの長さにもよりますが、1日3~5回ほど繰り返しましょう。文章と単語を全てを覚えるまで3日~1週間ほど、繰り返し同じ箇所をやりましょう。鼻歌のように教科書の英文を口ずさむようになるくらいまでやりこみましょう。単語のスペリングは手を動かさなければ覚えません。覚えるまで書き取りをしましょう。音読による教科書の丸暗記は、元Google本社副社長兼Google日本法人社長の村上憲郎さんや著名な同時通訳者も薦めるプロお墨付きの英語勉強法です。もちろん、私もお薦めします。

 

4.英語が苦手です。苦手意識をなくすための解決策はありますか。

a)「英語が苦手」の理由のひとつとして、(特に英文法で)自分の中での理解が追い付かないまま学校の勉強が進んでしまい、勉強について行けなくなって苦手になる、というパターンが多く見られます。そういう場合はまず、分からなくなったところまで戻り、ひとつひとつ文法を勉強することが必要です。どこから分からないのか分からないのであれば、分かるところまで戻る、それも分からなければ中1の教科書の最初からおさらいしましょう。やり直すのは早ければ早いほど良いです。復習をすると同時に、英語に興味を持てる何かを探すことも大切です。映画、音楽、ゲーム、何でも構いません。苦手意識なく英語に触れられる趣味を探してみましょう。ちなみにゲームは、日本のRPGを英訳したソフトも出ています。ゲームが楽しめて英語の勉強にもなりおすすめです。私はポケモンとドラクエ4&5の英語版が好きです。

 

5.父には学校の英語よりも話せる英語を優先しろと言われているのですが、学校での成績も取らなくてはいけません。どうしたらいいですか?

a)ここまでの回答にも書いてきた通り、一番大切なのは学校の勉強、特に文法です。学校の英語で良い成績が取れるくらい英語が得意であれば、話すことは難しくありません。学校での成績も上がり、話せるようにもなる、一石二鳥です。逆に文法があやふやで単語を並べるだけの会話もどきはいくらやっても上達しませんし、話せるようにはなりません。私はこれまで仕事で英語を話す日本人にたくさん会ってきましたが、海外経験が無くても素晴らしい英語を話す方は多くいます。そしてそういう方々のほぼ全員が、「中学から高校までの英語の勉強を頑張った」と話されます。頑張れば結果はついてきます。

 

6.発音がうまくできないのですが、どうやったらうまく発音することができますか。

a)今回のセミナーで実施するフォニックスを活用してください。ひとつひとつの音、発音に対し、常に口の形や舌と歯の使い方を意識するように心がけましょう。また③の回答に書いたように、毎日お手本を聴きながら音読をすると良いです。

 

7.日本人の英語の発音は世界で通用しますか。

a)残念ながら日本人のいわゆるカタカナ発音は世界では通じません。英語には日本語に無い音があります。それをしっかりと習得し、意識して発音をすることで通じる発音を身に付けましょう。

 

8.洋楽を聴くこともリスニング力UPにつながるでしょうか。

a)もちろんです。お気に入りの曲があるのなら、何度も繰り返し聴くのが良いでしょう。繰り返し聴いているうちに、知っている単語が耳に入ってくるようになります。何度も聴いて、聞こえる単語を増やしましょう。

 

9.ネイティブの早い英語を聞き取るにはどのような勉強をすれば良いですか。

a)基礎文法をマスターし、英語のボキャブラリーを増やし、とにかく英語を聞いて話すことです。文法やボキャブラリーを無視して聞くことばかりやってもあまり上達しません。知っている内容、知っている単語なら優先的に聞き取れるようになります。また自分が発音できる音は聞き取りもできるようになりますから、発音を磨くことも大切です。まずは③の回答に書いた通り、教科書のお手本を聞きながら読み上げをやってみましょう。慣れてきたらより速い音源で原稿があるものをネット等で探すのも良いです。また字幕で洋画を見るのもお薦めです。

 

10.学校で習う日本人特有の畏まった文法でなく、ネイティブが話す会話特有の表現が知りたい。

a)ここまで何度も書いている通り、「日本人特有の畏まった文法」は何よりも大切な基礎です。それをおろそかにしてはいけません。最低でも中学3年間分の英文法は完璧にマスターしましょう。またネイティブの使う会話表現も、その根底には文法のルールが存在していることを理解してください。その上でネイティブが使う会話表現を習得するのであれば、上にも書いたように字幕で洋画を見るのも良いですし、ネイティブの友人を作ったり、英会話のレッスンを受けてみることも良いと思います。残念ながら合宿中のセミナーは大人数での団体レッスンのため、2時間でできることには限りがあります。

 

11.話せるようにしてほしい。

a)ごめんなさい。1時間×2回では無理です。ここまでに書いたことを参考に、日々の学習に励んでください。

 

-----------------抜粋終わり---------------------

 

 いかがでしたでしょうか。

 

 今回は対象が中高生だったこともあり学校の勉強に重きを置いた回答となっていますが、ここに書いたことは大人が英語を学ぶ上でもとても大切なことばかりです。これらの質問を読んでいてとても残念だったのは、選手たちが「簡単に英語ができるようになりたい」と思っていたことよりも、「学校の英語より話せる英語を優先しろ」という親御さんがいらっしゃったことです。何て無責任なことを言うのかと、わざわざ子供に英語で遠回りをさせるようなことは言ってくれるなと、どうしようもなく切ない気持ちになりました。もちろん親御さんは合宿には参加されないので話す機会などありませんでしたが、選手たちがこの資料を家に持ち帰り、私がお願いした通りご両親にこれを見せてくれていることを切に願います。

 

 まあ何はともあれとても楽しい経験でした。今回は初めてということでうまくいかない部分も多々ありましたが、反省すべき点は反省し、良かった点はより改良し、次へつなげたいと思います。こんな素敵な機会を与えてくださった全日本テコンドー協会の皆様と、セミナーに付き合ってくれた選手のみなさんに、心から感謝いたします。

 

 

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