緊張させない通訳指導と恩送り◆サイマル・アカデミーでの経験と私の指導方針

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 こんにちは、コミュニケーション・ファシリテーター山下えりかです。ご訪問ありがとうございます。

 

 今回は私の通訳・英語講座の指導方針と、サイマル・アカデミーで訓練を受けていた若かりし頃の経験についてお話しします。

 

 


✔ 緊張させない通訳指導


 まず、通訳学校の先生方は厳しくて怖い印象を与える方が多いというのはよく聞く話でしょう。私もサイマル・アカデミーでは厳しい先生方の指導で育てていただきました。どんな場面でもブレない通訳をするためにも、厳しく緊張感のある指導の必要性はよく理解しています

 

 その一方で、私はよほどのことが無い限り穏やかな空気を作ることに努めています。最初から緊張させてしまっては受講生の実力を正確に知ることができませんし、それではせっかくのプライベートレッスンの利点を活かすことができないからです。

 

 過去の記事でも書いた通り通訳に緊張感はつきものなので一時期は通訳学校のようにあえて緊張感を作ろうかと考えたこともありました。

 

 しかしながら今は通訳者が活躍するシーンも多様化しています。フリーランスの通訳者を目指すのであれば通訳学校のような息が詰まるほどの緊張感に常に自身を晒しておくことも必要なトレーニングのひとつですが、「通訳するのは今勤めている会社の特定の部署でだけ」のように通訳をする場面が限定される場合、通訳学校レベルの緊張感が必ずしも必要とは思いません

 

 このように多様化している個々の背景を考えると、まずはできるだけ緊張せずに純粋に通訳技術を高めることも必要だと感じたため、私はストレスフリーな環境の提供に努めています

 

 

【参考】通訳で緊張しない方法を考えるのは無意味 - 緊張状態での実力が本当の実力

 

 

✔ 若い世代への恩送り


 通訳学校と同様に、私の講座には老若男女様々な方がいらっしゃいます。相手がどのような方であれ丁寧な指導を心がけていますが、中でも若い世代、特に20代の受講生にはより気を付けて丁寧に接することにしています。その理由は、私が訓練を始めたばかりの頃に年上のクラスメイトたちにとても温かく、敬意を持って接していただいた経験があるからです。

 

 先日久々にとても若い受講生の初レッスンがありました。私が通訳訓練を始めたばかりの頃と同じ年齢の方です。

 

 彼女を見ていると、当時の自身の経験が思い出され、また年上のクラスメイトたちから自分がどのように見えていたのかがよくわかり、懐かしさだけでなく気恥ずかしさも覚えました。しかし同時に、当時の自分もまた周囲に多大な影響を与えていたのであろうことも改めて実感できました。

 

 私は21歳でサイマル・アカデミーに通い始めました。当然のことながら当時の私の人生経験はまだまだ浅く、自分より10~30才年上の人生の先輩方に混ざって勉強をすることにワクワクしながらもやはり少し緊張していました。そんな私を彼女たちはひとりのクラスメイトとして認め、お互いに切磋琢磨する対等な仲間として尊重してくれました。あんなに懐が深く尊敬できるクラスメイトたちに出会えたことは、今でも私の一番の財産です。

 

 最近まで私は彼女たちとの関わり合いの中で自分ばかりが得をしていたと思い込んでいました。しかしながら少しずつ年若い受講生と接する機会が増えるにつれて、私もまたクラスメイトたちに良い緊張感を与え、モチベーションの維持と向上に役立っていたのだと実感しています。今だからわかることですが、それほどまでに、若いパワーとひたむきに夢を追う姿勢はまぶしく刺激的なのです。

 

 あの頃のクラスメイトたちとの関わり合いから感じた温かさと感動は今でも私の中に強く残っていて、「自分もいつか彼女たちと同じように人に接したい」と思ってきました。だからこそ、「年下の相手にこそ敬意をもって接すること」そして「希望を胸に努力する若者を否定しないこと」を大切にしています

 自分が若い頃に受けた恩を若い世代に送る、恩送り。これもまた私がレッスンで大切にしていることのひとつです。

 

✔ 穏やかでばかりいられない「よほどのこと」


 さて、最初に「よほどのことが無い限り穏やかな空気を作る」と書きましたが、「よほどのこと」とは例えば、予習、復習、基礎学習など、必要最低限のことをせずにレッスンを続けるという行為です。

 

 もちろんみなさん家事や育児や仕事をしながら勉強されているので全部思うようにできないこともあります。それは理解しているので一度や二度は気にしませんし、たまにであれば「そんなこともありますよね」で流します。また中にはレッスン時間が唯一確保できる学習時間という方もいらっしゃるので、そのような場合はその状況に合わせた指導をします。

 

 しかしながらやる気をアピールし継続してレッスンを予約していながら毎回準備不足や勉強不足が続くのであれば、それは通訳を学ぶ姿勢の問題です。それを指摘すると「やっています」と反発する方が多いのですが、「通訳技術の習得に必要な分量できていない」のが現実です。

 

 必要なだけ勉強できているか否かはレッスンでのパフォーマンスを見ればわかります。英語に触れる時間が少ない人もすぐにわかります。講師の席からは実に多くのことが見えるものなのです。

 

 通訳技術は(一部の例外を除き)文字通り「猛勉強」しなければ身につきません。特に「短期間で本気で通訳者になりたい」と明言してレッスンを受けられるのなら、こちらも相応の努力を求めます。それができなければ目標を下げることを勧めるか、下げないのであれば強めの喝を入れることもあります。

 

 またメールの課題指示を読まない、(一度や二度でなく)頻繁にメールを見失って再送を求めてくる等、自身の管理ミスで頻繁にこちらの時間を奪うといった行為も注意対象です。自身のマネージメント能力もまた通訳者には欠かせない資質です。

 

 

 


 

✔ おわりに


 私がサイマル・アカデミーを卒業してから13年が経ちました。これまで通訳者としてまた指導者として通訳に携わって来ましたが、今ようやく、ずっと当時から胸に抱き続けてきた「恩送り」ができる状況に辿り着けたと感じ、それをとても嬉しく思います。

 

 指導者としてだけでなく通訳者としても、これまで様々な形で受けてきた恩を、誰かにまた社会に還元して行きたいと思っています。今後とも当サイトとサービスをどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:札幌市

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り