【英文法で楽しむ洋楽#004】Say You, Say Me / Lionel Richie(歌詞和訳&文法解説)

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 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。

 

 久々のシリーズ「英文法で楽しむ洋楽」4回目の今回は、Lionel Richieの"Say You, Say Me"です。

 

 

 歌詞の和訳と解説の前に、メインフレーズでありタイトルでもある"Say You, Say Me"の文法構造についてお話しします。

 

 このフレーズはシンプルですが一見しただけでは文法構造が分かりづらく、訳し方に悩むフレーズです。私自身最初はこれをどう解釈して良いのか分からず悩みました。

 

 "Say (it to) you, say (it to) me(君に言おう、僕に言って)"のように省略があるのかな、とか、"You say, I say(君が言う、僕が言う)" が本来の形なのかな、など。しかしこの曲が主題歌となっている映画「ホワイトナイツ/白夜」の内容と照らし合わせて考えると、これは省略でも変型でもなく、このフレーズの通りの言葉だという結論に辿り着きました。 

 

 ただしこのフレーズには付け加えるべきものがあって、それはクオーテーションマーク(" ")です。すなわちこのフレーズの本来あるべき姿は、 Say "You" Say "Me" で、意味は「"君"と言おう、"僕"と言おう」となります。

 

 これを説明するために少しだけ映画ホワイトナイツの話をすると、これは自由を求めてアメリカに亡命したロシア(ソビエト)人ダンサーとベトナム戦争から逃げてロシア(ソ連)に亡命したアメリカ人ダンサーがロシア(ソ連)で出会う物語です。二人は最初は反発しあいますが共に時間を過ごす中で友情を深めて行きます。この映画では全編を通して、「どんな環境であれ人は人生のさまざまな物事を共有できる、深く繋がりあえる誰かを求めるものである」ということが語られています。そして “Say You, Say Me” にもまた、同じメッセージが込められています。 

 

 「君」や「僕(私)」という言葉は、言葉を交わす相手がいてこそ使える言葉です。つまり "Say You, Say Me(君と言おう、僕と言おう)" とは、「"君"や"僕"と言い合える相手を持つことの大切さ」を語っているフレーズなのです。  

 

 日本語では英語ほど "you" のような代名詞を使うことはないので少し感覚は異なるかもしれませんが、いつも自分の話ができて名前を呼べる誰かがいるというのは大切なことですね。

 

 それでは今回も、文法的な分析から見えてくる洋楽の奥深い世界を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

 

Say You, Say Me / Lionel Richie


Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

動詞(say)が先頭の文は「命令文」

学校では「○○しなさい」

“Please” が付くと「〇〇してください」と習いますが、

そもそも「命令文」という呼び方が威圧的すぎない?とよく思います。

「指示文」の方がイメージに近いよなぁと。

Say it for always, that's the way it should be

いつまでもそう言おう、そうあるべきだから

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it together, naturally

一緒に言おう、当たり前に

“together” は「一緒に」ですが、

ここは「君と僕で一緒に言おう」と

「キミという言葉とボクという言葉は一緒に(セットで)使おう(言おう)」

の両方の意味が込められていると思います。

 

I had a dream, I had an awesome dream

夢を見た、素晴らしい夢を見たんだ

People in the park playing games in the dark

人々が暗い中公園でゲームをしている

And what they played was a masquerade

彼らがしていたのは仮面舞踏会で

And from behind of walls of doubt a voice was crying out

疑念の壁の後ろから叫び声が聞こえた

“walls of doubt(疑念の壁)”は

冷戦時代に国民の自由を徹底的に制限していたのロシアの比喩

 

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it for always, that's the way it should be

いつまでもそう言おう、そうあるべきだから

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it together, naturally

一緒に言おう、当たり前に

 

As we go down life's lonesome highway

人生の孤独なハイウェイを行く時

Seems the hardest thing to do is to find a friend or two

一番の困難は一人か二人、友人を見つけることらしい

ここは主語である “it” が省略されています。

正確には “It seems the...”

“seem” は「~のように見える」という動詞で、

直訳は「一番の困難は一人か二人、友人を見つけることのように見える」

A helping hand - someone who understands

救いの手であり、理解してくれる誰か

That when you feel you've lost your way

You've got someone there to say

I'll show you

君が道を見失ったと感じた時に

「こっちだよ」と言ってくれる誰かがいること

この “I’ll show you” は「誰か」の言葉なので、

ここも本来はクオーテーションマーク(“ “)が付きます

 

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it for always, that's the way it should be

いつまでもそう言おう、そうあるべきだから

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it together, naturally

一緒に言おう、当たり前に

 

So you think you know the answers - oh no

君は答えを知っていると思っている

(いやそんなことはない)

Because the whole world has got you dancing, that's right

全世界が君を躍らせているからね

(その通りさ)

I'm telling you

僕が言おう

It's time to start believing - oh yes

今こそ信じる時だ(そうさ)

Believing who you are - you are a shining star

君が君自身を信じる時

君は輝くスターだ

 

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it for always, that's the way it should be

いつまでもそう言おう、そうあるべきだから

Say you, say me

「君」と言おう、「僕」と言おう

Say it together, naturally

一緒に言おう、当たり前に

 

 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:札幌市

留学歴:3年(アメリカ)

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